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はじめに:職務経歴書は、面接官の「質問リスト」になる
社会人経験者採用の公務員試験では、エントリーシートとあわせて職務経歴書の提出を求められることがよくあります。最近は紙ではなく、Webの申込画面に直接打ち込む形式も増えてきました。
この職務経歴書、「これまでの仕事を並べればいいんでしょ」と軽く考えていませんか?
元市町村の人事担当として、はっきりお伝えしたいことがあります。それは、職務経歴書は、面接官があなたに何を聞くかを決める「質問リスト」になるということです。
面接官は、職務経歴書を読みながら「ここを詳しく聞いてみよう」「この経歴の流れはどういうことだろう」と考えています。つまり、職務経歴書の書き方ひとつで、面接の流れが変わるのです。
この記事では、職務経歴書の中でも特に悩む方が多い「職務内容」と「成果」の書き方をお伝えします。
職務内容は「メイン・チーム・特別な業務」をバランスよく並べる
3つの種類の業務を意識する
まずは職務内容の欄です。ここでは、これまでの仕事を次の3つに分けて考えると、整理しやすくなります。
- メイン業務:日々の中心となっている仕事
- チームでの業務:周りと協力して進めている仕事、後輩の指導など
- 特別な業務:プロジェクトへの参加や、担当外で任された仕事など
この3つをバランスよく並べると、「普段の仕事をきちんとこなしつつ、周りとも協力でき、プラスアルファの仕事も任されている人」という姿が伝わります。
出せる数字は入れる
職務内容には、出せる範囲で数字を入れるのがおすすめです。
たとえば「担当地域の学校を回って相談対応をしていた」よりも、「市内の小中学校○校を巡回し、相談対応を担当」と書いたほうが、仕事の規模がぐっと具体的に伝わります。
もちろん、無理に数字をひねり出す必要はありません。出せるところだけで十分です。
「幅広さ」を押しすぎず、志望先の仕事に軸足を置く
職務経歴書でありがちなのが、「いろいろな仕事をやってきました」と幅広さを強調しすぎることです。
いろいろな経験があることは強みです。ただ、それだけを押すと、「結局この人は何が得意なんだろう」と思われてしまいます。
大切なのは、志望先で担当しそうな仕事に近い経験に軸足を置くことです。そのほかの経験は「こういった業務も経験しています」と添える程度にとどめる。こうすることで、面接官は「この人はうちのこの仕事で活躍してくれそうだ」とイメージしやすくなります。
面接官は「経歴の並び」からも読み取っている
もうひとつ知っておいてほしいのは、面接官は経歴の並び方そのものからも、いろいろなことを読み取っているということです。
たとえば、役所で窓口の部署を経験したあと、産業振興の部署に異動している経歴があったとします。面接官はそれを見て、「窓口でしっかり仕事をしていたから、次の部署を任されたのだろう」と推測します。
逆に、短い期間で職場を移っている経歴があれば、「なぜ短期間で移ったのか」は必ず気にされます。職務経歴書を書くときは、この並びを見た面接官が何を思うかを一度想像してみてください。

成果は「直近の仕事」から選ぶ
次は、多くの方が一番悩む「成果」の欄です。
古い職場の成果を書くと、面接で困る
成果欄に何を書くかを考えるとき、つい「一番うまくいった仕事」を選びたくなります。それが何年も前の職場での出来事だったとしても、です。
ですが、私は成果は基本的に直近の仕事から選ぶことをおすすめしています。
理由はシンプルです。古い職場の成果を書くと、面接で「それで、今の職場では何をしているんですか?」と聞かれてしまうからです。
面接官が一番知りたいのは、あなたの「今」の力です。何年も前の成果をアピールすると、「最近はこれといった成果がないのかな」と受け取られかねません。
直近の仕事を振り返ると、必ず何かある
「でも、今の職場では、そんなに目立った成果がないんです」という方もいると思います。
そんなときは、「今の仕事で、一番印象に残っている出来事は何か」を思い出してみてください。何年か同じ職場にいれば、必ず何かしらの取り組みや、うまくいった経験があるはずです。
大きな成果でなくても構いません。大切なのは、その出来事の中で自分が何を考え、どう動いたかです。
「丸く収まった」で終わらせない
結果だけを書くと、あなたの力が見えない
成果を書くときに、もうひとつ気をつけてほしいことがあります。それは、「問題が丸く収まりました」という書き方で終わらせないことです。
たとえば、窓口でこんなことがあったとします。
手続きの期限が過ぎてしまい、強い不満を持って来庁した住民の方に対応した。最終的には納得していただき、手続きを完了できた。
これだけだと、面接官には「結局どうにかなった」という印象しか残りません。あなたがその場で何をしたから、うまくいったのかが見えないのです。
自分の働きと、相手の変化まで書く
成果を伝えるときは、次の2つを必ず入れてください。
- 自分がどんな専門性や工夫を活かしたか:たとえば、住民の方の話をさえぎらずに聞き、不満の本当の理由(制度の案内が届いていなかったこと)を見つけた。そのうえで、担当課と連携して、使える別の制度を一緒に探した
- 相手がどう変わったか:最初は声を荒らげていた方が、帰り際には「親身に聞いてもらえてよかった」と言ってくださった
ここまで書くと、面接官には「この人は、住民の方の気持ちに寄り添いながら、組織の中で解決策を探せる人だ」という姿が伝わります。
成果とは、結果そのものではなく、その結果にあなたがどう関わったかです。
民間での実績を公務員向けの言葉に置き換える方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
200字に収める組み立て方
字数は意外と少ない
職務経歴書の成果欄は、200字前後と字数が限られていることが多いです。200字は、書き始めてみると驚くほど少なく感じます。
ですから、伝えたいことを全部入れようとせず、型に沿って端的にまとめることが大切です。
「状況→工夫→結果」の順に書く
おすすめの型は、次の3段構成です。
- 状況(どんな課題があったか):50字ほど
- 工夫(自分がどう考え、どう動いたか):100字ほど
- 結果(どうなったか、相手がどう変わったか):50字ほど
いちばん字数を使うのは「工夫」の部分です。ここがあなたの力を一番伝えられる場所だからです。
先ほどの窓口の例を、この型で200字にまとめると、たとえば次のようになります。
期限切れの手続きに強い不満を持って来庁した住民の方に対応した。まずは話をさえぎらずに聞き、制度の案内が届いていなかったことが不満の原因だとわかった。そこで担当課と連携し、代わりに使える制度を一緒に探して手続きを案内した。最初は声を荒らげていた方が、帰り際には「親身に聞いてもらえてよかった」と言ってくださり、窓口対応の基本は相手の話を最後まで聞くことだと改めて学んだ。
書ききれない部分は、面接で話す
200字に収めようとすると、どうしても削らなければならない部分が出てきます。でも、それで大丈夫です。
職務経歴書は、面接官の質問リストになるとお伝えしました。書ききれなかった詳しい話は、面接で「詳しく教えてください」と聞かれたときに話せばいいのです。むしろ、少し聞いてみたくなる余白があるほうが、面接での会話が広がります。

まとめ:職務経歴書は「面接の入口」
この記事のポイントを振り返ります。
- 職務経歴書は、面接官があなたに何を聞くかを決める「質問リスト」になる
- 職務内容は、メイン・チーム・特別な業務の3つをバランスよく並べ、出せる数字は入れる
- 幅広さを押しすぎず、志望先の仕事に近い経験に軸足を置く
- 成果は直近の仕事から選ぶ。古い成果は「今は何をしているの?」と聞かれてしまう
- 「丸く収まった」で終わらせず、自分の働きと相手の変化まで書く
- 200字は「状況→工夫→結果」の順でまとめ、書ききれない部分は面接で話す
職務経歴書を書く時間は、これまでの自分の仕事と向き合う時間でもあります。人に書いてもらった整った文章より、悩みながら自分で書いた言葉のほうが、面接で深掘りされたときに必ず強くなります。
あなたが積み重ねてきた仕事には、必ず伝える価値があります。自信を持って、自分の言葉で書いてみてください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます😊

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