公務員面接の逆質問で「残業時間は?」と聞いてはいけない理由

はじめに:「最後に何か質問はありますか?」

公務員の面接の終わりには、多くの場合こう聞かれます。

「最後に、何か聞いておきたいことはありますか?」

いわゆる逆質問です。この時間をどう使えばいいのか、悩む方は多いと思います。「何か気の利いた質問をしてアピールしなければ」と、たくさん質問を用意してくる方もいます。

元市町村の人事担当として、まず私の本音をお伝えします。

逆質問で大きく点数が上がることは、ほとんどありません。

でも、逆質問の内容によって印象を下げてしまうことは、実際にあります。この記事では、逆質問で避けたほうがいい質問と、上手な逆質問の考え方をお伝えします。

逆質問で見られているのは「会話ができるか」

逆質問は、加点のための時間ではない

逆質問の時間に面接官が見ているのは、質問の中身の鋭さではありません。最後まできちんと会話ができるか、この場に前向きに臨んでいるかです。

ですから、「すごい質問をして点数を稼ごう」と考える必要はありません。むしろ、気負って難しい質問をするほど、かえって空回りしてしまうこともあります。

「特にありません」は避ける

一方で、「特にありません」で終わらせるのは避けたほうがいいと私は考えています。

面接官によっては、「うちにあまり興味がないのかな」と感じる人もいるからです。逆質問は、1つ用意しておけば十分です。

逆質問で避けたい質問

残業時間や働きやすさを聞く質問

逆質問で一番避けてほしいのが、働く環境の条件を確かめる質問です。たとえば、次のようなものです。

  • 「平均の残業時間はどれくらいですか?」
  • 「夜10時以降まで残っている職員は、何割くらいいますか?」
  • 「休みは取りやすいですか?」

もちろん、これらは働くうえで大切な情報です。気になる気持ちもよくわかります。

ですが、面接の場でこれを聞かれると、面接官は「やっぱり安定や働きやすさだけで公務員を選んでいるんだな」と受け取ってしまいます。

本音では、安定を求めて公務員を目指す方がいても、まったく問題ありません。面接官もそれはわかっています。ただ、その気持ちを面接の場で前面に出してしまうと、「この人はやる気があって来てくれるのかな」と不安にさせてしまうのです。

心配を招くような質問

もうひとつ避けたいのが、面接官に余計な心配をさせてしまう質問です。

  • 「病気で長く休んでいる職員はどれくらいいますか?」
  • 「ハラスメントの相談体制はどうなっていますか?」

こうした質問をすると、面接官によっては「この人は心が疲れやすいのかな」「前の職場で何かあったのかな」と、必要以上に勘ぐってしまうことがあります。

働く環境について本当に確かめたいことがあるなら、内定をもらったあとに人事へ問い合わせるのがおすすめです。その段階であれば、合否に影響する心配はありません。

面接の最後に受験者が手を挙げて質問しようとしている線画イラスト

逆質問は1つで十分。2つ聞くなら関連させる

質問の数を増やす必要はない

逆質問を2つ、3つと用意してくる方もいますが、1つで十分です。先ほどお話ししたとおり、逆質問で点数が上がることはほとんどないので、数を増やしても意味はありません。

バラバラな2つの質問は、散らかった印象になる

もし2つ聞くのであれば、2つの質問に関連を持たせるようにしましょう。

模擬面接で、ある方がこんな逆質問をしました。

「活躍されている職員の方の特徴を教えてください。それと、入庁までに準備しておくべきことを教えてください」

どちらも悪い質問ではありません。ですが、2つの質問につながりがないので、聞いている側には少し散らかった印象が残ります。

この場合は、どちらか1つに絞ったほうがすっきりします。私なら、「活躍されている職員の方の特徴」のほうを残します。「入ってから活躍したいと思っている人なんだな」という前向きさが伝わるからです。

面接官に喜ばれた逆質問の実例

面接の中で出た話題を拾う

最後に、私が人事として面接に立ち会っていたときに、「この逆質問は良かったな」と心に残っている実例を紹介します。

その面接では、途中で部長が「あの事業を立ち上げたときは、本当に大変だったんだよね」と、自分の経験を少し話す場面がありました。

そして最後の逆質問で、その受験者はこう聞いたのです。

「先ほど、〇〇部長が事業の立ち上げが大変だったとおっしゃっていたのが気になっていました。一番大変だったのはどんなところで、そのときはどのように乗り越えられたのでしょうか?」

その部長は、とてもうれしそうに話をしていました。

なぜこの逆質問が良かったのか

この逆質問が良かったのは、面接の中で相手が話したことを、きちんと聞いて覚えていたからです。

用意してきた質問を読み上げるのではなく、その場の会話から生まれた質問だからこそ、「この人は相手の話をよく聞く人だ」という印象が自然に伝わります。これは、住民の方の話に耳を傾ける公務員の仕事そのものです。

もちろん、毎回こうした話題が出るとは限りません。そのときのために、無難な質問を1つ用意しておき、面接中に気になる話題が出たら、そちらに切り替えるくらいの心構えでいると安心です。

逆質問の前に、面接で必ず聞かれる基本の質問の準備も忘れずに。こちらの記事でまとめています。

【面接対策】「当たり前」をナメてはいけない!合否を分ける3つの必須質問 【面接対策】「当たり前」をナメてはいけない!合否を分ける3つの必須質問

面接官がうれしそうに受験者の質問に答えている線画イラスト

まとめ:逆質問は「最後の会話」

この記事のポイントを振り返ります。

  • 逆質問で大きく点数が上がることはほとんどない。見られているのは「会話ができるか」
  • 「特にありません」は避け、1つは用意しておく
  • 残業時間や休みの取りやすさなど、働く条件を確かめる質問は避ける
  • 心配を招くような質問も避け、気になることは内定後に人事へ確認する
  • 2つ聞くなら関連する質問にする
  • 面接の中で出た話題を拾った逆質問は、相手の話を聞く姿勢が伝わる

逆質問は、面接の最後の会話です。気負わず、目の前の面接官ともう少しだけ話をするつもりで臨んでください。その自然な姿勢が、きっと良い印象として残ります。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます😊

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