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はじめに:内容は完璧なのに、なぜか評価が伸びない人
模擬面接をしていると、こんな方に出会うことがあります。
志望動機は筋が通っている。自己PRのエピソードも具体的。想定外の質問にも、きちんと論理的に答えられる。回答の中身だけを見れば、ほとんど言うことがありません。
それなのに、面接官の立場で聞いていると、どこか物足りない。「この人と一緒に働きたい」という気持ちが、いまひとつわいてこないのです。
元市町村の人事担当として、こうした方に共通しているのは、表情が硬く、相手の言葉への反応が少ないことだと感じています。
この記事では、公務員面接を「質疑応答」ではなく「会話」にするための、表情と相づちのコツをお伝えします。
内容は良いのに評価が伸びない人の共通点
「理屈だけの人」に見えてしまう
回答をしっかり準備している方ほど、面接では「正しいことを、正確に言わなければ」と真剣になります。その結果、表情がこわばり、淡々と話すことになりがちです。
すると面接官からは、クールで、理屈だけで動く人のように見えてしまいます。特に、業務改善やデジタル化など、論理的な強みをアピールしている方は、この印象がさらに強くなります。
市役所の仕事は、住民の方や同僚と顔を合わせて進める仕事です。面接官は、「この人は窓口で住民の方に寄り添えるか」「職場の仲間とうまくやっていけるか」を、言葉の中身だけでなく、表情や雰囲気からも感じ取ろうとしています。
笑顔が出た瞬間に、人柄が伝わる
ある方の模擬面接でのことです。全体的には表情が硬かったのですが、途中で一瞬、笑いながら「そうですね」と答えた場面がありました。
その瞬間に、その方の人柄の良さがふっと伝わってきたのです。私は振り返りで、「さっきの笑顔のほうが、ずっと良かったですよ」とお伝えしました。
面接官が見たいのは、完璧な回答を読み上げる姿よりも、その人らしさが自然に出ている姿です。

面接官のひと言には、笑顔の短い相づちで返す
面接官は、雑談めいたひと言で場を和ませようとしている
面接の中では、面接官が質問とは少し違う、雑談めいたひと言をはさむことがあります。
- 面接の冒頭で「今日はどちらから来られたんですか?」「何時に家を出ましたか?」
- 志望動機を聞いたあとで「それでうちを目指してくれたんですね」
- 前職の話を聞いて「民間の仕事も大変ですよね」
これらは、評価のための質問というより、緊張をほぐしたり、話しやすい空気をつくったりするためのひと言です。
ここで表情がこわばると、もったいない
ところが、緊張している受験者は、こうしたひと言にも真剣な顔で答えてしまいます。
ある方は、面接官役の私が「それで、うちを目指してくれたんですね」と言ったとき、少し顔をこわばらせて「……はい、そうなんです」と答えました。内容は何も間違っていません。でも、ここは口角を上げて、笑顔で「そうなんです」と返すだけで、場の空気がぐっと和らぐ場面でした。
さらに余裕があれば、「そうなんです。あのときの出会いがあったからこそ、ここを志望しました」と、ひと言添えてもいいでしょう。面接官のひと言を受け止めて、会話として返す。それだけで、面接官は「話しやすい人だな」と感じます。
相づちは「やりすぎない」のがちょうどいい
一方で、気をつけたいのが相づちのやりすぎです。
面接官が話している間、ずっと「はい、はい、はい」と細かく相づちを打ち続けると、かえってうるさく聞こえてしまいます。
相づちを打つのは、面接官が明らかにこちらに向けて言葉をかけてくれたときで十分です。そのときに、相手の顔を見て、「そうですね」「おっしゃるとおりです」と、短く笑顔で返す。これくらいがちょうどいい加減です。
話し始めをゆっくりにすると、全体が落ち着く
表情と同じくらい大事なのが、話すスピードです。
最初が速いと、どんどん速くなる
緊張していると、人はどうしても早口になります。そして、話し始めが速いと、そのあとの話もどんどん加速していきます。面接官からは、「せっかちな人」「余裕がない人」に見えてしまいます。
逆に、話し始めをゆっくりにすれば、途中で多少速くなっても、全体としては落ち着いた印象になります。
質問をオウム返ししてから話し始める
話し始めをゆっくりにするために、おすすめの方法があります。それは、聞かれた質問を、最初にオウム返しすることです。
たとえば、「当市を志望した理由を教えてください」と聞かれたら、
「はい。私が〇〇市を志望した理由は……」
と、質問の言葉をそのまま繰り返してから話し始めます。オウム返しの部分は考えなくても言えるので、自然とゆっくり話せますし、その間に話す内容を頭の中で整理することもできます。
全部の質問でやらなくていい
ただし、これを毎回の質問でやろうとすると、ロボットのような話し方になってしまいます。
「あ、早口になってきたな」と気づいたときに、次の質問で1回か2回やるくらいで十分です。一番大切なのは、テクニックを守ることより、面接官との会話を楽しむことです。
面接中に頭が真っ白になってしまったときの立て直し方は、こちらの記事で紹介しています。
自分の表情は、動画で確認する
自分の表情は、自分では見えない
表情や話し方のくせは、自分ではなかなか気づけません。「笑顔で話しているつもり」でも、実際には硬い表情のままということはよくあります。
そこでおすすめしたいのが、スマートフォンで、自分が話している姿を動画に撮って見返すことです。
志望動機を1つ話して、撮ってみる
やり方は簡単です。
- スマートフォンを正面に置いて、録画を始める
- 志望動機や自己PRなど、よく聞かれる質問に1つ答えてみる
- 再生して、表情・目線・話すスピードを確かめる
初めて見ると、「こんなに表情が暗かったのか」「思ったより早口だな」と驚く方がほとんどです。でも、それに気づけることが大きな一歩です。
回答の中身を十分に考え抜いた方ほど、最後の仕上げは中身よりも「どう見えるか」です。動画で何度か確かめるだけで、本番の印象は大きく変わります。
オンライン面接の場合は、画面越しの見え方にも工夫が必要です。こちらの記事も参考にしてください。

まとめ:面接官と「一緒に話す」つもりで臨む
この記事のポイントを振り返ります。
- 回答の内容が良くても、表情が硬いと「理屈だけの人」に見えてしまう
- 面接官の雑談めいたひと言には、口角を上げて短い相づちで返す
- 相づちはやりすぎない。相手がこちらに言葉をかけてくれたときだけで十分
- 話し始めをゆっくりにすると全体が落ち着く。早口になったら質問をオウム返ししてから話す
- 自分の表情は、動画に撮って確かめる
面接は、面接官から一方的に質問される場ではありません。面接官と一緒に話をする場です。
これまで準備してきた中身は、もう十分にあなたの中にあります。あとは肩の力を抜いて、目の前の面接官との会話を楽しんできてください。きっと、あなたの人柄はまっすぐに伝わるはずです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます😊

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