「市役所職員って毎日どんな仕事をしているの?」 元職員が市役所1日のタイムラインを公開

この記事では、実際に市役所で働いた経験をもとに、一日のスケジュールをリアルに解説します。内勤と外勤の違い、窓口業務の実態、残業の現実まで、包み隠さず紹介します。


市役所職員の一日のタイムライン

8:15〜 出勤・準備

始業は8時30分ですが、15分前には出勤していることが多かったです。

外勤(現場に出る日)は着替えが必要なため、20分前に来ることも。スポーツ担当の時期はジャージで出勤し、そのまま外に出ることもありました。

8:30〜 メールチェック・朝の業務開始

庁内メールと外部からのメールを確認してから業務スタート。部署によっては朝礼があるところもありますが、ない部署も多いです。

9:00〜 外勤または窓口・事務対応

外勤の日 公用車を手配して現場へ。スポーツ担当の時は小学校に行き、体力測定のボランティア引率を行うことがありました。校長先生への挨拶から始まり、午前中いっぱい外で過ごすことも。

内勤の日 窓口対応や問い合わせ対応、午前中の事務処理などを進めます。

12:00〜 昼食・休憩

外勤の場合は帰庁してから昼食。お弁当を持参している人が多く、食堂を利用する人もいます。休憩時間は45分〜1時間程度。

13:00〜 会議・連携業務

午後は関係機関との連携会議が入ることが多いです。町内会との会議、健康推進部署や教育委員会との情報共有会議など。担当業務によって会議の種類は異なります。

16:00〜 事務作業

会議が終わってから本格的な事務作業。

  • 会議資料の作成・修正
  • 補助金申請書類の作成・処理
  • 決裁書類の作成と回覧
  • イベント資料・名簿の作成

決裁回しについて 当時はまだ電子化が進んでいなかったため、紙に印鑑を押してバインダーに挟み、関係部署を歩いて回る方式でした。市長決裁が必要な案件は秘書課まで持参する必要があり、地味に時間がかかる作業でした。現在は電子化が進み、多くの自治体でシステム上で完結できるようになっています。

17:00〜 窓口対応・問い合わせ対応

窓口の受付は17時まで受け付けているため、17時ちょうどまでお客さんが来ます。

対応内容は多岐にわたります。

  • 補助金の申請方法の説明
  • 体育施設の予約案内・団体登録
  • 各種問い合わせへの対応

窓口が終わってから、ようやく事務作業に集中できる時間になります。

17時以降〜退勤

通常の日でも窓口業務じゃない部署の退勤は19時‐20時前後になることが多く、イベントが近い時期は22時・23時まで作業することもありました。名簿の最終確認、当日の進行資料、関係者への連絡などが重なる時期は特に忙しくなります。


内勤と外勤、どちらが多い?

部署によって大きく異なります。

部署の種類外勤の頻度主な外勤先
スポーツ・健康推進多い学校、体育施設、地域イベント会場
土木・建設多い工事現場、道路・河川
福祉・保健中程度訪問先、福祉施設
税務・財政少ない基本的にオフィス内
窓口・市民課ほぼなしオフィス内の窓口のみ

スポーツ担当の時期は外勤が多く、ジャージで出勤・現場直行という日も普通にありました。内勤部署と比べると、一日のリズムが全く異なります。


残業の実態

「公務員は定時で帰れる」というイメージがありますが、部署や時期によって大きく異なります。

通常期:19時‐20時前後に退勤できる日が多い

繁忙期(イベント前・予算編成時期など):22時・23時まで作業することも

実際に週40時間前後は働いていた時期もあり、特にイベント系の業務が重なる時期は残業が続くこともありました。

一方で、閑散期や業務量が落ち着いている時期は17時台に退勤できることも多く、メリハリのある働き方ができる環境でもあります。

残業が多くなる時期・理由

市役所の残業は、特定の時期に集中する傾向があります。

イベント前(1〜2週間前) 土日のイベントに向けた資料作成・名簿整理・関係者への連絡が重なります。当日の進行台本、参加者への案内文書、当日配布物の印刷など、細かい作業が積み重なります。

予算編成時期(12月〜2月ごろ) 翌年度の予算を組む時期は、各部署が資料作成に追われます。担当事業の実績まとめや次年度の計画書、財政課とのやり取りなど、通常業務に加えて作業量が増えます。

年度末(2月〜3月) 補助金の精算・報告書作成・次年度への引き継ぎ準備などが重なる繁忙期です。

議会時期(議会タイミング) 前年度の決算書類の作成・確認作業が集中します。


窓口業務のリアル

市役所の仕事の中で特に誤解されやすいのが窓口業務です。

「窓口は簡単そう」と思われがちですが、実態はかなり幅広い対応が求められます。

窓口に来る人・内容はバラバラ

一日の窓口対応を振り返ると、本当に様々な方が来ます。

  • 補助金の申請方法がわからない方
  • 体育施設の予約の仕方を知りたい方
  • 団体登録の手続きをしたい方
  • 何をすればいいかわからず、とりあえず来庁した方

特に最後のケースは対応が難しく、話を聞きながら「どの窓口に案内すればいいか」を判断する必要があります。

17時ちょうどまで対応が続く

窓口の受付終了は17時ですが、16時50分に来た方にも丁寧に対応する必要があります。

そのため事務作業は17時以降にしか本格的に始められないことが多く、「今日中にやりきりたい資料がある」という日は特にタイトなスケジュールになります。

クレーム対応も仕事のうち

窓口では、理不尽なクレームを受けることもあります。税金を払っているからという理由で強く要求される場面や、制度上どうにもできないことを何度も説明しなければならない場面もあります。

これは市役所の窓口業務の避けられない一面です。翌日に引きずらない切り替え力が、長く続けるための鍵になります。


補助金業務のリアル

スポーツ担当の時期は、補助金事業の担当も兼務していました。

補助金業務は、思っている以上に書類仕事が多い。

申請を受け付けてから、内容確認・審査・決裁・通知・実績報告の確認・精算まで、一つの補助金につき何度もやり取りが発生します。

決裁回しの手間

当時は電子化が進んでいなかったため、決裁書類は紙で作成し、バインダーに挟んで関係部署を歩いて回る方式でした。

担当→係長→課長→部長→財政課→市長(案件によって)

というルートを一枚一枚持って回ります。市長決裁が必要な案件は秘書課まで行かなければならず、庁舎内をかなり歩くことになります。

現在は多くの自治体で電子決裁が導入されており、システム上でクリックひとつで回覧できるようになっています。電子化は本当に大きな変化だったと実感しています。


服装・働き方のリアル

部署によって服装が全然違う

内勤部署はスーツやオフィスカジュアルが基本ですが、スポーツ担当や土木・建設系の外勤部署はジャージや作業着で出勤することが普通です。

スポーツ担当の時期は、ジャージで出勤して午前中は小学校や体育施設で活動し、午後に着替えて会議に出る、という日も珍しくありませんでした。着替えはロッカールームではなく男子休憩室で行っていました。

朝は自分のペースで来られる

7時・8時に来なければいけない、というルールは基本的にありません。始業の5〜15分前に来ていれば問題ない雰囲気でした。

子どもの送迎がある職員は早めに来て「朝残業」として業務をこなし、夜の残業を減らすという働き方をしている人もいました。フレキシブルに時間を使えるのは公務員の働き方の良い部分だと思います。


よくある誤解と実態

よくある誤解実態
毎日定時で帰れる繁忙期・イベント前は残業あり。通常期は19-20時前後
デスクワークだけ部署によっては外勤もある。ジャージ出勤もある
仕事が楽窓口・補助金・イベント・会議と業務は多岐にわたる
窓口だけの仕事書類作成・会議・調整・外勤など幅広い
服装はスーツ固定部署によってジャージ・作業着も普通
クレームはない窓口では理不尽な対応が求められる場面もある

市役所で働くことのやりがい

大変な部分を正直に書いてきましたが、やりがいも確かにあります。

地域の人と直接つながれる 外勤で地域に出ると、住民の方と顔を合わせて話す機会が多くあります。イベントで「楽しかった」と言ってもらえる瞬間や、窓口で「ありがとう」と言われる場面は、デスクワークだけでは得られない充実感があります。

自分の仕事が地域に残る 補助金で支援した団体の活動が続いていたり、企画したイベントが毎年の定番になっていたりすると、「この仕事をやってよかった」と感じます。目に見える形で地域に関われるのは公務員ならではの経験です。

幅広い業務経験が積める スポーツ・教育・福祉・財政など、異動のたびに全く違う仕事を経験できます。一見デメリットに思えますが、幅広い視点が身につくという点では大きなメリットでもあります。


まとめ|市役所の仕事はイメージと少し違う

市役所職員の一日は、部署によって大きく異なります。

デスクワーク中心の内勤部署もあれば、毎日現場を飛び回る外勤部署もある。窓口対応・会議・事務作業・補助金処理・決裁回しと、一日の中にさまざまな業務が詰まっています。

「定時で帰れる」「楽な仕事」というイメージは半分正解で半分違います。忙しい時期は忙しいし、窓口では難しい対応もある。でもその分、地域に直接関われるやりがいがあります。

公務員を目指している方には、このリアルな一日のイメージを持った上で、自分がどの部署でどんな仕事がしたいかを考えてみてほしいと思います。そのイメージが、面接での志望動機の説得力にもつながってきます。

公務員を目指している方には、このリアルな一日のイメージを持った上で、自分がどの部署でどんな仕事がしたいかを考えてみてほしいと思います。そのイメージが、面接での志望動機の説得力にもつながってきます。