【ES添削】「調整力があります」だけでは落ちる?面接で評価される志望動機・自己PRの書き方

りゅう

こんにちは、りゅうです。公務員志望の方のES(エントリーシート)添削や面接指導を行っている立場から、今回は「志望動機・自己PRのブラッシュアップ」についてお話しします。

ESや面接カードを書く際、「誰かに見てもらう」のが一番の近道ですが、今回は私が添削をする際、特に厳しくチェックしているポイントを共有します。

「自分は調整力がある」「コミュニケーション能力がある」

そう書いているのに、なぜか面接官の反応が薄い……。

そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

ESは「面接の台本」である

まず、大前提として知っておいてほしいことがあります。

公務員試験において、ESだけで合否が決まる(足切りされる)ケースもゼロではありませんが、多くの自治体では「ESは面接の資料」として使われます。

つまり、ESは「面接というドラマの台本」のようなものです。

抽象的なESが招く「無難な面接」

抽象的な言葉ばかり並んだESだと、面接官は具体的な質問ができません。

話が盛り上がらず、ただの確認作業のような面接になってしまい、結果として印象に残らず「不合格」になりがちです。

「志望動機は?」「はい、地域貢献がしたいからです」

「強みは?」「はい、調整力があります」

「そうですか…(次の質問何聞こう…)」

これ、面接官側からすると、めちゃくちゃ困るんですよね 笑

具体的なESが生む「盛り上がる面接」

逆に、ESに具体的な「フック」があれば、面接官はそこを掘り下げたくなります。

「へえ、この経験ってどういうこと?もっと詳しく聞きたい!」

こう思わせるESにするために、必要な3つの要素を後ほどご紹介します。

でもその前に、まずは「どこがもったいないか」を一緒に見ていきましょう。

よくある「残念な自己PR」の例

例えば、民間企業から公務員へ転職を目指す方で、こんな自己PRがあったとします。

【改善前の自己PR例】

私はこれまで、大手通信販売メーカーの人事として働いていました。

人事の仕事をする中では、多くの部署や人と調整を行う場面が多く、調整力を身につけました。

市役所の仕事でも、市民や関係機関など多くの方との調整が必要だと思います。

そのため、前職で培った「調整力」を活かして、こちらでも頑張りたいと思います。

さて、この自己PR、どこが「もったいない」でしょうか?

一見すると、文章の形は整っていますし、論理も破綻していません。

でも、これでは「その人らしさ」が全く伝わってこないんです。

「調整力」は誰にでもある?

厳しい言い方をすると、「調整力」という言葉は、どんな職種の人でも使えてしまいます。

経理の人だって、総務の人だって、仕事をしていれば必ず誰かと調整はします。

「調整力がない社会人」の方が珍しいかもしれません 笑

採用担当者が見たいのは、「調整力があります」という宣言ではありません。

「本当にその力があるのか?」「どんな場面で発揮されるのか?」という実体験(リアリティ)です。

面接官の頭の中

この自己PRを読んだ面接官の頭の中は、こうなっています。

「調整力があるのは分かった。でも、具体的に何をしたの?」

「他の応募者も『調整力』って書いてるんだよな…この人の何が違うんだろう?」

「面接で何を質問すればいいんだ?」

つまり、「その他大勢」に埋もれてしまうんです。

「その他大勢」から抜け出す3つのポイント

では、どうすれば良いのか?

具体的で説得力のある文章にするために、次の3つを意識して修正してみてください。

1. 具体的なエピソード(プロセス)を書く

「こういう業務をやって実績があります」という結果だけでなく、「そのために何をしたか」というプロセスを具体的に書きましょう。

例えば、私の実体験(人事時代の給与改定)で言うと、単に「社内調整しました」とは書きません。

状況: 一律10%の賃上げを実施したが、元の時給が高い拠点では数十円しか上がらず、不満が出そうだった。

行動: 子会社の社長に直談判し、従業員へ直接想いを伝えてもらう場を設けた。

工夫: 社長のスケジュールを押さえるため、秘書と事前に根回しをし、会議で決定した瞬間に動けるよう準備していた。

ここまで書くと、「調整力」の中身が「相手の感情に配慮する力」や「先回りして動く段取り力」であることが伝わります。

ストーリー仕立てにする必要はありませんが、「何に気をつけたか」「どう動いたか」を端的に盛り込むことが重要です。

2. 第三者の評価を入れる

「私は明るいです」「私は真面目です」

これに対して、ひろゆき氏ではありませんが「それってあなたの感想ですよね?」と思われてしまうのが面接です 笑

主観的な主張だけでなく、客観的な「第三者の声」を入れましょう。

×悪い例: 私は丁寧な対応が得意です。

○良い例: コールセンターでお客様のクレーム対応をした際、最後には「あなたと話せてよかった、次もあなたにお願いしたい」という言葉をいただきました。

このように、他者から言われた言葉や評価を入れるだけで、信憑性がグッと高まります。

「上司から『お前の調整力は素晴らしい』と褒められた」

「お客様から感謝の手紙をいただいた」

「チームメンバーから『あなたがいてくれて助かった』と言われた」

こういった第三者の声があると、「あ、この人本当に評価されてるんだな」と面接官も納得します。

3. 数字・定量的な実績を入れる

最もわかりやすいのが「数字」です。

  • 営業件数 100件
  • 成約率 80%
  • 前年比 120%達成
  • クレーム対応件数 月平均50件
  • プロジェクトメンバー 15名

「頑張りました」という言葉よりも、数字が一つあるだけで、その努力の規模や成果が明確に伝わります。

数字は嘘をつきません。だからこそ、説得力があるんです。

【実例】改善前と改善後を比較してみよう

では、先ほどの「残念な自己PR」を、3つのポイントを使って改善してみましょう。

【改善前】

私はこれまで、大手通信販売メーカーの人事として働いていました。

人事の仕事をする中では、多くの部署や人と調整を行う場面が多く、調整力を身につけました。

市役所の仕事でも、市民や関係機関など多くの方との調整が必要だと思います。

そのため、前職で培った「調整力」を活かして、こちらでも頑張りたいと思います。

【改善後】

私は大手通信販売メーカーの人事として、全国15拠点・約300名の従業員の給与改定を担当しました。(数字)

一律10%の賃上げを実施した際、元の時給が高い拠点では数十円しか上がらず、不満が出る懸念がありました。(具体的な状況)

そこで、子会社の社長に直談判し、従業員へ直接想いを伝えてもらう場を設け、納得感のある説明を心がけました。また、社長のスケジュールを押さえるため、秘書と事前に根回しをし、会議で決定した瞬間に動けるよう準備していました。(具体的な行動・工夫)

結果、従業員アンケートでは「会社の想いが伝わって納得した。」という声が多数寄せられました。(第三者の評価)

市役所でも、市民や関係機関との調整において、相手の立場に立った丁寧なコミュニケーションを心がけ、信頼関係を築いていきたいと考えています。

どう変わった?

改善前:

  • 抽象的で、誰でも書けそう
  • 面接官が質問しづらい
  • 印象に残らない

改善後:

  • 具体的で、この人にしか書けない内容
  • 面接官が「もっと詳しく聞きたい!」と思う
  • 「この人は本当に調整力があるんだな」と納得できる

この差、わかりますか?

改善後のESなら、面接官はこんな質問ができます。

「社長への直談判、どうやって実現したんですか?」

「従業員の反応はどうでしたか?」

「この経験を市役所でどう活かしたいですか?」

ESが「面接の台本」として機能しているんです。

まとめ:読み手を想像して書こう

ESを書くとき、ついつい「自分が言いたいこと」だけを書いてしまいがちです。

でも、本当に大切なのは「読み手(面接官)が何を知りたいか」を想像することです。

【ESブラッシュアップの3ヶ条】

  1. 具体的なエピソード(プロセスや工夫)
  2. 第三者の評価(客観的な事実)
  3. 数字・定量的な実績

これら全てを詰め込む必要はありませんが、1つか2つ盛り込むだけで、ESの説得力は劇的に変わります。

そして何より、面接官が「へえ、これってどういうこと? もっと詳しく教えて」と質問したくなるはずです。

ESは書いて終わりじゃない

ESは書いて終わりではなく、その後の面接を有利に進めるための最強の武器になります。

ぜひ、ご自身の経験をこの3つの観点で棚卸ししてみてください。

「あの時、どんな工夫をしたっけ?」

「上司や同僚から、どんな言葉をもらったっけ?」

「具体的な数字で表せることはないかな?」

こうして思い出していくと、「自分にはこんな経験があったんだ!」という気づきがきっと生まれるはずです。

最後に

ESは、あなた自身を面接官に伝える大切なツールです。

抽象的な言葉で埋めるのではなく、あなたにしか書けない具体的なエピソードで勝負しましょう。

そうすれば、面接官の心に響くESが完成します。

応援しています!

ではまた!

りゅう