公務員転職の「影」の部分も知っておこう!公務員への転職を考える前に確認すべき4つのリアル

公務員への転職を検討されている方へ。
「安定している」「ワークライフバランスが良い」「やりがいがある」

確かにこれらは事実です。でも、それだけじゃない現実もあります。

りゅう

こんにちは、りゅうです。私は公務員の人事(採用・教育)を経験し、現在は民間企業で人事をしています。採用する側として、そして転職経験者として、両方の立場から見えてきた「公務員のリアル」をお伝えします。

今回は、やりがいや安定性といった「光」の部分だけでなく、ミスマッチを防ぐための「影」の部分も含めて、4つのポイントで解説します。

正直、読んでいて「え、そうなの?」と思うこともあるかもしれません。

でも、これらを知った上で「それでも公務員になりたい!」と思えるなら、あなたは本当に公務員に向いています。

逆に「こんなはずじゃなかった…」と入職後に後悔するのは、お互いにとって不幸ですよね。

では、順番に見ていきましょう!

1. 「給与体系」のリアル:年収ダウンの可能性をチェック

まず最初に、一番現実的な話から。

民間、特に大手企業で役職を持ってて転職される方は、「基本的には給与が下がる」と考えておいたほうがよいでしょう。

「え、公務員って安定してるし、給料もそこそこもらえるんじゃないの?」

確かに、生涯賃金で見れば悪くありません。でも、転職直後の年収は下がるケースが多いんです。

理由①:役職定年のスピード感の違い

民間(特に大手)では30代で課長職に就くことも珍しくありません。

でも、公務員の世界で課長職になれるのは早くても40代後半、一般的には50代になってからです。

つまり、民間で30代課長だった人が公務員に転職すると、「平社員」からのスタートになるわけです。

役職手当の差は大きいですよ。民間で課長手当が月5万円ついていたとしたら、年間60万円の差。これが一気になくなります。

理由②:「前職換算率」の落とし穴

これ、意外と知られていないんですが、めちゃくちゃ重要です。

自治体によって、民間の経験を何%公務員歴として加算してくれるかが全然違うんです。

  • 100%換算の自治体:民間10年→公務員10年目の給料
  • 50%換算の自治体:民間10年→公務員5年目の給料
  • 30%換算の自治体:民間10年→公務員3年目の給料

この差、わかりますか?

同じ民間10年の経験でも、自治体によって初任給が数十万円違うこともあるんです。

【重要】前職換算率の確認方法

「じゃあ、どうやって確認すればいいの?」

①内定前:募集要項や説明会で確認

  • 募集要項に「前職換算あり」と書いてあるか確認
  • 説明会で「前職の経験は給与に反映されますか?」と質問してOK

②内定後:人事担当者に直接確認

  • 内定通知と一緒に初任給の提示があるはず
  • もし提示がなければ、遠慮せず「初任給の見込みを教えてください」と聞きましょう

面接の段階で給与について聞くのは少し気まずいかもしれませんが、内定後なら堂々と聞いて大丈夫です。

むしろ、聞かずに入職して「こんなに少ないの?!」となる方が問題です。

大手企業から転職される場合は特に、前職との給与差が大きくなる可能性があるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

ボーナスや退職金は?

ボーナスは年間で基本給の4〜4.5ヶ月分が一般的です。民間の大手に比べると少ないかもしれませんが、確実に支給されるのは安心材料ですね。

退職金は、勤続年数が長いほど有利。定年まで勤めれば2,000万円前後もらえる自治体が多いです。

ただし、中途採用の場合、前職換算率が退職金にも影響するので要注意。

2. 「土日休み」の誤解:イベントやボランティアの多さ

「公務員=土日休み」というイメージ、ありますよね。

でも、これ、配属先によっては全然違います。

業務としての休日出勤が多い部署

以下のような部署は、土日のイベント開催が当たり前です:

  • スポーツ振興課:市民マラソン、運動会など
  • 商工観光課:お祭り、イベント、観光PR
  • 子育て支援課:親子向けイベント、児童館の運営
  • 市民課(窓口):確定申告時期の土曜開庁、マイナンバー対応

これらの部署に配属されると、月に2〜3回は休日出勤があると思ってください。

代休は取れますが、「平日に休む」ことになるので、友人や家族と休みが合わないストレスはあります。

「地域貢献」という名の半強制ボランティア

もっと厄介なのがこれ。

業務外でも、地域のお祭りやイベントに「顔を出すのが当たり前」という雰囲気がある自治体も少なくありません。

「今度の日曜日、地域の清掃活動があるんだけど、若手はみんな参加するよね?」

こう言われて「いえ、行きません」と断れる人、どのくらいいますか?

これを「地域との繋がり」として楽しめる人には良い環境ですが、苦痛に感じる人にとってはストレスの原因になります。

この内容についてはこちらの記事に詳細を書きましたのでご覧下さい。

好き?嫌い?公務員に避けて通れない「地域のイベント」元公務員がリアルな現実伝えます。

【面接で聞いても大丈夫?】

「休日出勤って多いんですか?」

これ、どうしても聞きたかったら面接で聞いても大丈夫です。ただし、聞き方が重要。

×悪い聞き方: 「休日出勤はありますか?できれば避けたいんですが…」 →やる気がないと思われる可能性

◯良い聞き方: 「イベント運営などで休日出勤があると聞きましたが、代休の取得状況はいかがでしょうか?ワークライフバランスを大切にしながら、地域貢献にも積極的に関わりたいと考えています」 →前向きな姿勢を示しつつ、現実を確認できる

とはいえ、内定後に聞くのが一番無難かなともいます。

3. 「定時退庁」の幻想:5時以降が「本番」の部署も

「公務員は5時に帰れる」

これも、部署によります。

窓口業務の裏側

日中ずっと窓口で市民対応をしている部署(市民課、税務課、福祉課など)は、窓口が閉まる5時過ぎからようやく自分の事務作業が始まります。

「5時(6時)以降が本番だよね」

こう冗談混じりに話す職員、本当にいます 笑

窓口業務って、住民の方が来ている間は自分の仕事ができないんですよね。だから、窓口が閉まってから書類整理や入力作業、翌日の準備をする。

結果、平均で毎日1〜2時間の残業になることも珍しくありません。

どの部署が激務なのか?

自治体や時期によって違いますが、一般的に激務と言われる部署:

  • 財政課:予算編成時期(11月〜3月)は連日深夜
  • 税務課:確定申告時期(2月〜3月)は土日出勤&残業
  • 企画課:総合計画策定時期は深夜残業
  • 秘書課:市長・議会対応で不規則

逆に、比較的定時で帰りやすい部署:

  • 教育委員会(学校以外):イベント時期以外は落ち着いている
  • 農林水産課:繁忙期と閑散期がはっきりしている
  • 会計課:ルーティンワークが多く、予測しやすい

残業代は全額出るのか?

これ、重要な質問ですよね。

基本的には残業代は全額支給されます。これは民間と違って、公務員の良いところ。

ただし、自治体の財政状況によっては「残業するな」という圧力がかかることも。

「残業はするな。でも仕事は終わらせろ」

この矛盾に悩む職員もいます。

サービス残業の実態

建前上、サービス残業はありません。

でも、現実には「持ち帰り仕事」や「記録に残さない残業」が存在する部署もあります。

特に、議会対応や市長案件など、急ぎの仕事が入ったときは「残業申請してる時間がない」という状況になることも。

ただ、最近は働き方改革で厳しくなってきているので、昔ほどひどくはないです。

4. 「人間関係」の特殊さ:狭いコミュニティと市民との距離

市町村レベルの自治体は、良くも悪くも「みんな知っている人」という狭い社会です。

濃すぎる上下関係

飲み会、年賀状、地域の行事…

若い世代にとっては「少し面倒だな」と感じる古い習慣が残っていることがあります。

飲み会は断れるのか?

これ、みんな気になりますよね。

結論から言うと、最近は断りやすくなってきています。

特に若い世代が多い自治体では、「飲み会は任意参加」という雰囲気が浸透しています。

ただし、歓送迎会や忘年会など、年に数回の大きな飲み会は「参加するのが暗黙の了解」という自治体もまだあります。

中途採用者は馴染めるのか?

「新卒ばかりの中に、中途で入って馴染めるかな…」

この不安、よくわかります。

でも、安心してください。最近は中途採用者が増えているので、全然珍しくありません。

私が人事をしていた自治体でも、毎年10人以上の中途採用者がいました。

むしろ、民間経験がある分、「頼りになる先輩」として重宝されることも多いです。

ただし、「民間のやり方を押し付ける」のはNG。最初は謙虚に、役所のやり方を学ぶ姿勢が大切です。

上司ガチャのリアル

これは、どの組織でも同じですが、上司によって働きやすさが全然違います。

  • 若手の意見を聞いてくれる上司
  • 昔のやり方に固執する上司
  • 部下に丸投げする上司
  • 細かく指示を出してくれる上司

どんな上司に当たるかは、正直「運」です。

ただし、公務員は3〜5年で異動があるので、「この上司と一生付き合わなきゃいけない」わけではありません。

「あと2年我慢すれば異動だ…」と思えば、少し気が楽になりますよ 笑

市民との多面的な関わり

これは地方公務員ならではの難しさ。

買い物をしていれば市民の方に会いますし、仕事を通じて知り合った方の「別の側面(税の滞納状況など)」を仕事柄知ってしまうこともあります。

プライベートと仕事の境界線が曖昧になりやすいのは、覚悟しておいた方がいいです。

スーパーで会った時に「あ、〇〇課の人だ!ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」と声をかけられることもあります。

これを「地域に密着している実感がある」とポジティブに捉えられるか、「プライベートまで侵食される」とネガティブに感じるか。

人によって感じ方は違いますよね。

まとめ:ミスマッチをなくして「納得のいく転職」を

ここまで、かなりリアルな話をしてきました。

「え、公務員ってこんなに大変なの?」と思った方もいるかもしれません。

でも、誤解しないでほしいのは、公務員は決して悪い仕事ではないということ。

  • 自分の仕事が形に残る
  • 市民の方に直接喜んでもらえる
  • 地域を良くするために働ける
  • 長期的な視点で仕事ができる

こうしたやりがいや誇りを持てる素晴らしい仕事です。私自身、公務員時代のやりがいに何度も救われました。

でも、ホームページに載っている「やりがい」や「人の温かさ」という綺麗な言葉だけで判断してしまうと、入職後のギャップに苦しむことになります。

今回お伝えした「事実」を知った上でも、**「それでも公務員として働きたい!」**と思えるのであれば、ぜひ自信を持って挑戦してください。

あなたなら、きっと素晴らしい公務員になれます。

心から応援しています!

ではまた!

りゅう