最近、公務員試験の一次選考などで「オンライン面接」や「動画面接」を導入する自治体が増えています。
対面の個別面接や集団面接の対策は入念にしていても、「オンラインでの面接なんて聞いていない」「急に動画を撮って提出してくださいと言われて戸惑った」という受験生の声を、私は面接指導の現場でよく耳にします。
形式が変わるだけで、こんなにも動揺してしまうのはもったいないことです。今回は、元市町村人事として多くの受験生を見てきた立場から、オンライン面接・動画面接それぞれの特徴と、画面越しでも好印象を与えるための具体的な対策を解説します。
目次
公務員採用で増えている「オンライン面接」「動画面接」とは
一口に「画面を使った面接」と言っても、実は性質の異なる2つのタイプがあります。事前にどちらの形式なのかを把握しておくだけで、当日の心構えが大きく変わります。
リアルタイム型オンライン面接
Web会議システムなどを使い、面接官とリアルタイムで対話する形式です。
パターンとしては、面接官が1人だけ画面に映る一対一のケースもあれば、複数の面接官が同じ画面に並んで座っているケース、あるいは面接官が別室から接続しているケースなど、自治体によって運用はさまざまです。
時間感覚は対面の個別面接とほぼ同じで、20分から25分程度を見ておくとよいでしょう。基本的な受け答えの中身は対面と変わりませんが、「画面越し」ならではの注意点があります。
なお、面接官側の顔ぶれが対面と変わらないと考えていいと思います。一次・二次面接では係長・課長級が中心、最終面接になると人事課長や部長級が同席するというレイヤーの違いは、オンラインであっても変わりません。「オンラインだから気軽な選考なのでは」と油断してしまう受験生がいますが、評価の重みは対面と全く同じだと考えておきましょう。
録画提出型の「動画面接」
もう一つが、あらかじめ用意された質問に対して自分で自己紹介や回答の動画を撮影し、期限までに提出する「録画提出型」の動画面接です。
面接官とのやり取りがその場で発生しないため、面接というよりは「動画版のエントリーシート」に近い感覚を持つとイメージしやすいかもしれません。最近、この形式を一次選考に取り入れる自治体が徐々に増えてきています。
オンライン面接で失敗しやすいポイントと対策
リアルタイム型のオンライン面接では、対面では起こらない独特のつまずきが起きがちです。
通信・音声トラブルへの備え
面接直前に通信が不安定になったり、音声が途切れたりするトラブルは珍しくありません。当日慌てないよう、事前に使用するツールで通信テストをしておく、可能であれば有線接続にする、静かな環境と安定した電波を確保しておくといった準備が欠かせません。
万が一トラブルが起きた場合も、慌てず「恐れ入ります、通信が不安定なようですので、少々お待ちいただけますでしょうか」と落ち着いて伝えられれば、それ自体が減点材料になることはほとんどありません。むしろ、想定外の事態にどう対応するかという「対応力」を見られていると捉えるくらいの余裕を持っておきましょう。
また、面接官が複数人同じ画面に映っているケースでは、誰が今の質問をしているのか一瞬わかりにくくなることがあります。焦らず、画面に注目してから話し始めるだけで、落ち着いた印象を保てます。
画面越しでも伝わる話し方・表情
対面よりもリアクションが伝わりにくいのがオンライン面接の特徴です。普段より少しだけ表情を大きく、相槌を意識的にはっきり打つくらいがちょうどよく伝わります。
また、画面に映る自分の顔ではなくカメラのレンズを見て話すことで、面接官には「目を見て話している」印象を与えられます。慣れないうちは、カメラの近くに小さな目印を貼っておくのも一つの方法です。

背景・服装・カメラ目線の基本
背景はできるだけシンプルに整え、生活感が映り込まないようにしましょう。服装は対面の面接と同様、公務員としてふさわしい清潔感のある服装を選びます。「画面に映るのは上半身だけだから」と油断せず、上下ともきちんとした服装で臨むことをおすすめします。
意外と見落とされがちなのが照明です。部屋の照明が後ろから当たっていると顔が暗く映り、表情が伝わりにくくなってしまいます。窓や照明を自分の正面に配置し、顔がはっきり見える明るさを事前に確認しておきましょう。パソコンやスマートフォンの位置も、カメラが目線の高さに来るよう台などで調整すると、自然な印象になります。
より詳しいマナーやチェックリストは、公益財団法人 東京しごと財団が運営する東京しごとセンターのオンライン面接マナー解説ページでも紹介されているので、あわせて確認しておくとより安心です。
録画面接(録画提出型)ならではの注意点
録画提出型の動画面接には、リアルタイム型とは異なる落とし穴があります。
撮り直しができる分、逆に「完璧主義」に陥りやすい
録画面接は何度でも撮り直せることが多いため、完璧な一本を目指して撮影を繰り返し、かえって不自然に硬い表情になってしまう受験生が少なくありません。多少の言い淀みや間があっても、自然な表情と熱意が伝われば十分に評価されます。3回程度撮り直したら、その中で一番自然に話せたものを選ぶくらいの気持ちで臨むとよいでしょう。
台本の丸暗記は逆効果になる理由
質問内容が事前にわかっている分、台本を一字一句暗記して臨む方もいますが、丸暗記した話し方は面接官から見ると意外と伝わってしまうものです。視線が不自然に泳いだり、言葉のテンポが機械的になったりすることで、「用意してきた話をそのまま読んでいるな」という印象を与えてしまいます。
話すべき要点だけを箇条書きでメモにまとめ、それを見ながらではなく頭に入れた上で、自分の言葉で話す練習をしておく方が、結果的に説得力のある動画に仕上がります。何度か家族や友人に見てもらい、「棒読みに聞こえないか」を率直にチェックしてもらうのもおすすめです。

面接形式ごとの心構えのまとめ
対面の個別面接、集団面接、そして今回取り上げたオンライン面接・動画面接。形式が変わっても、面接官が見ているポイントの本質は変わりません。それぞれの面接形式でどのような特徴があるのかは、
合格への第一歩!市役所面接の種類を知って”心の準備”を万全に の記事でも詳しく整理していますので、あわせてチェックしておくと安心です。
大切なのは、「こんな形式もあるんだ」と事前に知っておくこと。知っているだけで当日の心の余裕が全く違ってきます。オンライン面接や動画面接だからといって特別に構える必要はありません。基本を押さえた上で、画面越しならではのポイントを意識して臨んでください。
一人で対策を進めるのが不安な方は、ぜひ私の「模擬面接指導」もご活用ください。オンライン形式にも対応しており、本番さながらの練習を通じて、画面越しでも自信を持って話せるようになるまでサポートします。「ES添削」や「キャリア相談」、これらをまとめた「フルサポートプラン」もご用意していますので、お気軽にお問い合わせくださいね。

