はじめに
「公務員への転職を考えているけど、本当に自分にできるだろうか?」
この記事を読んでいるあなたは、そんな不安を抱えているかもしれません。私も26歳のとき、まったく同じ気持ちでした。
今回は、私が民間企業(マスコミ業界)から市役所職員へ転職した経験をお話しします。受験勉強の方法、面接での失敗と成功、そして実際に働いてみて感じたことまで、包み隠さずお伝えします。
この記事を読んで、「自分にもできるかも」と思っていただけたら嬉しいです。
目次
マスコミ時代:夢と現実のギャップ
大学を卒業後、私は小さい頃からの夢だったマスコミ業界に入ることができました。憧れの仕事に就けた喜びは、今でも忘れられません。
しかし、待っていたのは想像を絶する過酷な労働環境でした。
朝9時出勤、翌朝5時退勤。これが日常でした。
長いときは20時間勤務をする日々。もちろん、残業代などありません。すべてサービス残業です。家に帰ると、すでに朝刊が届いている。そんな生活を3年間続けました。
「24時間戦えますか?」というCMがありましたが、まさにその状態。当時は好きな仕事だったので、何とか頑張ることができていました。何なら楽しかったくらい。でも今振り返ると、「あの働き方は絶対に無理だ」と思います。
そんな中、転機が訪れます。先輩が、過労で倒れてしまったのです。
この出来事が、私の価値観を大きく揺さぶりました。「このまま働き続けて、自分も同じことになるのでは?」という恐怖。でも、小さい頃からの夢だったマスコミを辞めて、他のマスコミ企業に転職する力も勇気もない。
「あれ……? 自分って、何がしたいんだっけ?」
働く意味が、わからなくなってしまいました。
運命の出会い:豪雨災害ボランティアで見た光景
そんな霧の中を歩いているような日々を送っていたある日、私の住んでいた地域から少し離れたところで、大規模な豪雨災害が発生しました。
ニュースで見る被害状況は想像以上に深刻で、すぐに友人たちと現地へボランティアに向かいました。
私たちが行ったのは、主に泥出し作業。被災した家屋から、大量の泥や瓦礫を運び出す重労働です。真夏の暑さの中、汗だくになりながら作業を続けました。
そこで出会ったのが、地元の市役所職員の方々でした。
彼らは有事に、文字通り身を粉にして働いていました。汗を拭う間も惜しんで、住民の方々に声をかけ、必要な支援を調整し、ボランティアの私たちにも的確な指示を出してくれる。
その目は、輝いていました。
自分の目指すもののために本気で取り組んでいる人々の姿。それは、疲弊しきっていた私の心に、強く響きました。
「目の前の、顔が見える人たちのために働ける。これって、素晴らしいことじゃないか」
マスコミの仕事も社会貢献ではありますが、もっと直接的に、もっと身近に人の役に立つ仕事がしたい。そう思うようになりました。
市役所職員という選択肢
ボランティアから帰った後、知り合いを通じて実際に市役所で働いている職員さんを紹介してもらいました。具体的にどんな仕事をしているのか、率直に聞いてみたかったのです。
窓口のイメージしかないかもだけど、商工やスポーツ、バックオフィスもなんでも経験できるよ?
まあ、一つ極めるというのは難しいけどね。。。。

自分が何をしたいかわからない今、色々な分野を経験できるのは、やりたいことを見つけるチャンスになるかもしれない
そして何より、
- 純粋に利益を追求するのではなく、人のために働きたい
- 自分のやりたいことを、じっくり見つけたい
この2点が、私の心を動かしました。
26歳の秋、私は市役所職員を目指すことを決意しました。
過酷な受験勉強:限界への挑戦
決意してからの行動は早かったです。その日のうちに、ユーキャンの公務員試験対策講座に申し込みました。
本当は専門学校に通いたかったのですが、朝5時まで働いている状況では物理的に不可能。通信講座しか選択肢がありませんでした。
そして、ここからが本当の地獄でした。
朝3時や5時に帰宅→2時間勉強→就寝
この生活を、半年間続けました。
どんなに疲れていても、どんなに眠くても、必ず2時間は机に向かう。通信講座は自分との戦いです。誰も見ていないからこそ、自分で自分を律しなければなりません。今思うともう少し効率的な勉強方法があったと思います。
仕事が休みの土日は、ひたすら勉強。友人からの誘いも断り、遊びにも行かず、ただひたすら教材と向き合いました。
今振り返ると、「よく倒れなかったな」と思います。完全に狂気の沙汰です。
でも、ここで教養科目、特に数的理解の基礎はしっかり身につけることができました。この努力が、後に大きな意味を持つことになります。
受験の日々:計画通りにいかない現実
半年間の勉強期間を経て、いよいよ受験です。
私が受験したのは、
- B日程: 地元の市役所
- C日程: 地元の隣の市役所
- 別日程: 社会人採用枠を実施していた市役所
この3つでした。
B日程(地元の市役所)
筆記試験は無事に合格。手応えもあり、「これはいける!」と確信していました。
しかし、運命の皮肉とでも言うべきか。面接日に、どうしても抜けられない仕事が入ってしまったのです。
必死に日程変更をお願いしましたが、認めてもらえませんでした。自分以外にはできない仕事内容で、職場を抜けることもできない。泣く泣く、辞退することになりました。
あの時の悔しさは、今でも忘れられません。
C日程(地元の隣の市役所)
こちらは残念ながら、筆記試験で不合格。悔しかったですが、仕方ありません。
別日程(社会人採用枠)
そして、運命の3つ目の受験。
筆記試験に合格し、面接日が決まりました。ところが、ここでもトラブルが。今度は不幸事が入ってしまったのです。
「またダメか……」
半ば諦めかけながら、ダメ元で面接日の時間変更をお願いしてみました。
すると、何と許可してくれたのです!
さらに幸運なことに、変更後の面接日は土日。仕事が入ることもなく、無事に面接を受けることができました。
捨てる神あれば拾う神あり。本当にその通りでした。
面接で聞かれたこと
面接では、予想通り「なぜ市役所なのか?」という質問を深く掘り下げられました。
私は、ボランティアで出会った市職員の方々の姿を、自分の言葉で伝えました。汗をかきながら地域のために身を粉にして働く姿に感動したこと。そして、縁もゆかりもないこの市の求人を見つけたのは、運命だと感じたこと。
正直に、熱意を持って語りました。
そして、数週間後。
内定の連絡が来ました。
市役所での7年間:新たな学びと成長
内定をいただいた市役所は、様々な新しい取り組みに挑戦している自治体でした。
私の配属先は、
- スポーツ課: 3年間
- 東京出向: 1年間
- 人事課: 3年間
という流れでした。
マスコミとの働き方の違い
まず驚いたのは、意思決定のスピード感の違いです。
マスコミでは、現場の判断でスピーディーに物事が進むことが多かったのですが、市役所では様々な部署との調整、上層部への説明、議会対応など、一つの施策を実現するまでに多くのステップがありました。
最初は「なぜこんなに時間がかかるんだ」とイライラすることもありましたが、次第に理解していきました。公共機関として、税金を使う以上、慎重であることの大切さ。多様なステークホルダーの意見を聞くことの重要性。
予算の考え方も、民間企業とはまったく違いました。利益を追求するのではなく、いかに限られた予算で最大限の公共の利益を生み出すか。この視点は、私にとって新鮮であり、やりがいでもありました。
人事課での出会い
そして、配属された人事課で、私は運命的な出会いをします。
人事という仕事の奥深さに、完全に魅了されてしまったのです。
採用、育成、評価、配置。一人ひとりの職員の人生に関わり、組織全体を活性化させていく。この専門性を、もっと深く学びたい。もっと極めたい。
市役所職員として働く中で、ついに自分が本当にやりたいことを見つけてしまいました。
当時の上司や同僚には本当に感謝しています。たくさんのことを学ばせてもらい、様々な挑戦の機会をいただきました。特に、県内で初めてオンライン面接を導入するプロジェクトでは、前例のない取り組みだったこともあり、試行錯誤の連続でしたが、大きな達成感を得ることができました。
市役所での7年間は、私にとってかけがえのない財産です。
そして、次のステージへ
人事の専門性を極めたい。その思いが日に日に強くなり、私は市役所を退職する決断をしました。
現在は、外資系企業で3万人規模の組織の人事を担当しています。
市役所を辞めた今も、当時の職場とは良好な関係が続いています。飲みに行ったり、遊びに行ったり。それだけ居心地が良く、素晴らしい職場だったということです。
最後に:あなたへのメッセージ
ここまで、私の転職ストーリーを読んでいただき、ありがとうございます。
私の経験を通して伝えたいことは、
「完璧な計画なんてなくても、なんとかなる」
ということです。
- マスコミでの過酷な労働環境の中での受験勉強
- B日程で仕事が入って辞退
- それでも諦めず、別日程で合格
- 市役所で7年働く中で、やりたいことを見つける
すべてが計画通りだったわけではありません。むしろ、予想外の連続でした。
でも、一歩を踏み出したからこそ、今があります。
転職は、確かに勇気がいります。でも、不可能ではありません。
もしあなたが今、
- 民間企業で働き続けることに疑問を感じている
- 公務員への転職に興味があるけど、一歩を踏み出せない
- 自分の年齢で今さら公務員試験を受けても大丈夫だろうか
と悩んでいるなら、私の経験が少しでも参考になれば嬉しいです。
そして、もし「話を聞いてみたい」「もっと詳しく知りたい」と思ったら、気軽にコメントやメッセージをください。
あなたの挑戦を、応援しています。

